贈与税の申告と住宅ローンの申告は別モノ

 こんにちは! にこにこ税理士受験生です!

 昨年の税理士試験にて2回目の受験で相続税法(相続税・贈与税)に合格しました!

 今回は、「住宅ローン控除」とともに「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の適用を受ける場合の注意点を書いてみようと思います。

 これらの申告をしようとする方の大半は、会社員であったりして「そもそも確定申告ってなに?」といった状況であるものと思います。

 そこで、まず最初に大前提の確認です!

 住宅ローン控除は所得税の控除項目の一つであり、住宅取得等資金の贈与税の非課税はその名のとおり贈与税の非課税制度の一つです!

 そもそも税金の種類が違うんですよね~。そして実際に使用する申告書もまったく違います!

 住宅ローン控除を受けるためには「所得税の確定申告書」を管轄の税務署に提出する必要があります。

 一方で、住宅取得等資金の贈与税の非課税を受けるためには「贈与税の期限内申告書」を管轄の税務署に提出する必要があります。

 一緒の手続きで完了すると思ったら大間違いです。「それぞれ」の申告書を作成して提出しなければなりません!

 住宅取得等資金の贈与税の非課税とは

 住宅の新築、購入に際して、両親や祖父母から資金の援助を受けた場合、最大で1,000万円の贈与まで贈与税が非課税になる制度です。

 贈与税の非課税制度はいくつかあるのですが、これが最もポピュラーなものでかなりたくさんの人が利用しているものと思われます。

 この制度について基本的な知識としては、認定住宅等(省エネ住宅を含む)の場合には非課税枠が1,000万円であり、それ以外の住宅の場合には非課税枠は500万円であること、というものがあります。

 あと、重要な適用要件として、贈与を受けた人(申告者)からみて、贈与をした人が自分のおとうさん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃんのいずれかに該当する人であること、というものがあります。

 しばしば「わたしの妻の父親(=義父)から贈与を受けましたので非課税ですよね!」という勘違いをしている方がおりますが、この場合は「義父」は「わたし」の父親ではないため、適用対象外となってしまいます。

 もし、「妻が妻の親から資金援助を受けた」ということで贈与税の非課税の適用を受けたいのであれば、奥さんも購入した住宅の名義人(あなたと共有名義)である必要があります。

 つまり、奥さんも「家を買った」という形である必要がある、ということですね。

 そして何よりも重要なことは、

 期限内申告でなければならない、ということです!

 令和7年中に贈与を受けた人であれば、ちょうど今回の申告時期つまり令和8年3月16日までに贈与税の期限内申告書を提出しなければなりません。

 ひょっとして「非課税だから申告しなくていいのでは?」と思っているのであればいますぐ考えを改めてください! まず、「非課税にしたいです」という申告をしなければなりません。

 そして、「確定申告で税務署も大変だから、落ち着いた4月とか5月に申告すればいいよね」とか思っている人がいたらそれもいけません! 

 住宅取得等資金の贈与税の非課税は期限内(=今回は令和8年3月16日)に申告することが適用要件となっていますから、令和7年中に贈与を受けた人が令和8年3月17日以降に「住宅取得等資金の贈与税の非課税を受けたいです」と申告書を提出しても「ダメです」と言われてしまいます。

 適用できなければ一切非課税にならずに多額の贈与税を納税することになってしまいます!

 住宅取得等資金の贈与税の非課税は、期限内申告が絶対要件です!

 住宅ローン控除とは

 住宅ローン控除とは、正式名称を「住宅借入金等特別控除」というもので、住宅ローンを組んで住宅を新築又は購入して入居した場合に、一定の所得税(及び住民税)を減額する、というものです。

 これは、所得税の確定申告において行う「税額控除」の一種です。

 一般に、会社員などの給与所得者が住宅ローン控除を適用すると、給与から天引きされていた一定の所得税額が確定申告によって国(税務署)から戻ってくることになります。

 この住宅ローン控除は、基本的には13年間の適用があり、最初の一年目の適用のときだけは所得税の確定申告をする必要があります。

 一度確定申告をすれば、2年目以降は勤務先の年末調整で住宅ローン控除を適用できますので、原則として税務署に確定申告をする必要はなくなります。

 ここで、ポイントは、

 住宅ローン控除の適用要件の一つに、「住んでいる」というものがあります。

 つまり、いくら住宅を新築したとしても、住んでいなければ適用はできない、ということです。

 要は、確定申告をする最初の年分は、「実際に入居した年分」となります!

 たとえば、令和7年中(1月1日~12月31日)に新居に引っ越して住み始めたのであれば、その翌年の令和8年の確定申告時期(2月16日~3月15日)に所得税の確定申告書を管轄の税務署に提出する必要がある、ということです。

 では、この住宅ローン控除の確定申告は、必ず入居した年の翌年3月15日までに完了させなければならないのでしょうか?

 答えは「NO」です!

 住宅ローン控除の適用要件に「期限内申告であること」というものはありません!

 ですから、住宅ローン控除を適用したい方で、どうも3月15日(今年だと3月16日)までに確定申告書ができなさそうだぞ、という人がいたとしたら、実はそれほど焦る必要はありません。

 たしかに、申告をしなければ減税措置を受けることはできないので「それなりに早め」ということで3月中くらいには申告をしておいた方が無難ではありますが、仮に令和7年中に入居をして住宅ローン控除の確定申告を令和8年6月頃など期限後申告として行ったとしても特に問題はありません。

 ※申告期限から5年を経過すると時効になってしまいますので、どんなに遅くても5年以内には申告しましょう。

 住宅ローン控除額は、贈与税の非課税金額によって変動する

 住宅ローン控除額は、原則として、住宅(建物と土地)の価額とその年の住宅ローンの年末残高のいずれか低い金額に0.7%を乗じた金額となります。

 この計算には、実は、住宅取得等資金の贈与税の非課税の適用を受けた金額も影響します!

 住宅ローン控除額の計算において、住宅の取得価額から贈与税の非課税金額を差し引く必要があるのです。

 では、仮に、本人が父親から1000万円の住宅取得等資金の贈与を受けて、贈与税の非課税の適用を受けたとしましょう。

 住宅の取得価額が4,000万円、住宅ローンの年末残高が3200万円だとすると、

 住宅ローン控除額は、

 ①4000万円ー1000万円(贈与非課税適用額)=3000万円

 ②3200万円

 ③ ①<② よって、3000万円×0.7%=21万円(住宅ローン控除額)

 となります。

 ということで、実際に住宅ローン控除の確定申告書を作成するときには、贈与税の非課税の適用金額も記入(入力)することとなるわけです。

 贈与を受けた年と入居した年が一緒とは限らない

 さて、ここからがようやく本題です。

 住宅取得等資金の贈与税の非課税は、贈与を受けた年の翌年3月15日までに期限内申告をしなければいけません。

 住宅ローン控除は、入居した年の翌年以降に所得税の確定申告をしなければいけません。

 「両親から資金贈与を受けて、それを住宅購入に充てて、そして引っ越して住み始めました」が同一年であったのであれば、その翌年3月15日までに贈与税の期限内申告と所得税の確定申告を同時に行えばOKです。

 ところが、「贈与を受けた年」と「入居した年」が1年ずれていたとしたらどうでしょうか?

 贈与を受けた年が令和7年中であるのであれば、令和8年3月16日までに贈与税の期限内申告を済ませる必要があります!

 一方で、住宅に入居したのが贈与を受けた年の翌年である令和8年中ということとなると、住宅ローン控除の確定申告は令和9年の3月頃に行うこととなります!

 贈与税の申告と所得税の申告のタイミングが1年ずれてしまうんですね。

 もし、贈与を受けて住宅購入をした方が「住宅ローン控除と同時に贈与税の申告もすればいいよね」と思い込んでいたとしたら、一概にそうともいえない場合があるということに注意してください!

 住宅ローン控除のために確定申告をしようとしたら、実は去年のうちに贈与税の期限内申告書を提出しておかなければいけなかった! 贈与税がかかってしまう、どうしよう、ということにならないようにしましょう!

 なお、贈与の年と入居の年が同一年であっても、確定申告するための必要書類がそろわなかったから、等の事情から、

 「3月15日まで間に合わないけど住宅ローン控除は期限後申告でもOKだったよね、だから贈与税の申告も住宅ローン控除の申告ときに一緒にやろうかな」

 という判断に基づき、申告期限後にふたつの申告を同時にしようとした場合、住宅ローン控除の適用はOKだとしても、住宅取得等資金の贈与税の非課税の適用を受けることはできませんので、こういった勘違いにも要注意です!

 まとめ

 住宅取得等資金の贈与税の非課税と住宅ローン控除は、両方とも住宅購入の際に登場する制度です。

 セットにして考えるものではあるのですが、まずは別々の手続きであるということを理解したうえで、申告書を提出するタイミングがいつになるのかをしっかりと確認する必要があります。

 贈与税の非課税は、贈与を受けた年の翌年3月15日までに期限内申告をする必要があることをしっかりと認識しましょう。

 想定外の支出が生じないように、これらふたつの制度について理解を深めることが大切ですね。

注文住宅か建売住宅かどっち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者

管理人はとちゃん

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