事業用の車の売却は課税売上になる
こんにちは! にこにこ税理士受験生です!
自営業の方が事業で使っていた車などの資産を売却した場合、消費税の納付税額の計算に影響があるのでしょうか?
答えは、「おおいに影響ある」です!
今回は、課税事業者である個人事業主の方が、事業用の車などの資産を売却したときの消費税の考え方や計算について書いてみようと思います。
計算に含めるのは「事業用」の資産だけ
まず、初めに押さえておくべきことは、消費税の確定申告に関係があるのは「事業で使用していた」資産だけ、ということです。
青色申告決算書や収支内訳書に記載した「減価償却資産」をイメージしてもらえればOKです。
いいかえれば、プライベートで使っていた車などの資産を売却した場合には確定申告する必要がありません。
もし、減価償却費を計算するときに、事業用と家事用に按分しているものであれば、事業用の部分だけを消費税の確定申告に含めることとなります。
売却金額が課税売上高になる
所得税においては、事業用の車両などの資産を売却した際には売却収入から未償却残高を差し引いて利益(所得)を計算しますが、消費税の計算では「未償却残高」は一切関係がなく、シンプルに売却金額をそのまま課税売上高に計上します!
車の代金220万円(税込)×100/110=200万円(課税売上高)
車は買い替えることも多いと思います。
もし、新車両550万円(税込)を購入するときに、旧車両を220万円(税込)で下取りに出して、新車両を差し引き330万円(税込)を支払ったとしたら、課税売上高に計上すべき金額はいくらになるでしょうか?
答えは、
220万円(税込)×100/110=200万円(課税売上高)
です!
0円ではありません!!
反対に、購入した新車両は330万円(税込)ではなく、550万円(税込)で購入したとして「課税仕入れ」として経費(「仕入れ税額控除」)となります。
売却した車の事業割合が80%の場合には、課税売上高は次のように事業用部分だけを取り出して計上すればOKです!
220万円(税込)×80%×100/110=160万円(課税売上高)
一般課税の場合
消費税の確定申告を一般課税で行う場合には、車の売却金額が課税売上高に計上され、買い換えでなければ特に仕入れ税額控除の適用はありませんので、さきの具体例でいけば車の売却により生ずる消費税等の納税額は、
車の代金220万円(税込)×10/110=20万円
となります。
車の売却収入の10%分がダイレクトに納税額に響いてくるわけですね。
簡易課税の場合
消費税の確定申告を簡易課税で行う場合には、車の売却金額が課税売上高に計上されるのは一般課税と同様なのですが、事業用資産の売却収入は簡易課税の第四種事業に該当することとなりますので、みなし仕入れ率60%が適用されることから、自動的に仕入れ税額控除も適用されます。
具体的には、
① 車の代金220万円(税込)×10/110=20万円
② ①×60%=12万円
③ ①-②=8万円
が、車の売却によって生ずる消費税等の納税額となります!
簡易課税は「収入があればそれに対応する経費が必ずある」という考え方であるので、収入と経費がいつもセットで計算されます。
その結果、一般課税よりもずっと納税額は少なく済みますね。
2割特例の場合
最後に、2割特例を選択して計算する場合です。
この場合も簡易課税と同様に「収入と経費」をセットにして計算します。
ただ、2割特例はすべての課税売上について課税売上高の80%を経費と考えているので、具体的には、
① 車の代金220万円(税込)×10/110=20万円
② ①×80%=16万円
③ ①-②=4万円 が車の売却によって生ずる消費税等の納税額となります!
簡易課税ではみなし仕入れ率60%であったので、80%を仕入れ率とみなす2割特例のほうが断然お得、ということになりますね。
忘れずに申告する
課税事業者の事業用の車などの売却は、消費税の確定申告に含める必要があります。
所得税においては、売却時点での車の未償却残高を超える売却収入を得ることが少ないために所得金額が生じないことも多く、申告漏れとなっても結果的に納税額に影響がない場合もあると思います。
一方で、消費税においては売却収入を課税売上として計上する必要がありますから、10万円でしか売れなかったとしても、納税額には必ず影響します!
申告漏れとなって、思いがけず追徴税額が発生するのは非常に痛いです。特に車はそもそもの売却金額が大きいうえに一般課税で計算するとなればいとも簡単に数十万円の納税額になってしまいます。
車や設備機器など、事業用の資産を売却した場合には消費税の確定申告に注意をしていきましょう!