金地金の売却「利益」は?
こんにちは!
にこにこ税理士受験生です!
金地金を売却したとき、確定申告が必要になるかどうか気になっている人は多いと思います。
今回は、会社員(給与所得者)が金地金を売却した場合の所得税の確定申告の義務について書いてみようと思います。
そもそも論ですが、所得税というのは、「収入」ではなく「所得(利益)」に課税するものです。
ですから、金地金の売却「利益」がなければ所得税がかからない、ということになりますね。
金地金の売却による「利益(所得)」は次のように計算することとされています。
【売却価額-取得価額-50万円】÷2
※保有期間が5年超の場合は「÷2」はなし
具体例
売却価額240万円
取得価額160万円 の場合
(240万-160万円-50万)÷2
=15万(所得金額)
となります。
この15万円に対して所得税が課されるわけですね。
利益が50万円以下かどうか
先の算式中の50万円は「特別控除額」と呼ばれるもので、無条件で差し引くことができます。
売却価額から取得価額(購入価額)を差し引いて50万円以下なのであれば、特別控除額で結局0円になるため、
「金地金の売却益(収入額-購入額)が50万円を超えなければ申告不要」
となるわけです。
所得金額が0円になるため、この場合には確定申告する必要はまったくありません。
なお、50万円というのは、1月1日から12月31日までの間に行った売却益の合計が50万円以下かどうかということです。
金地金1個につき50万円ではありませんから注意しましょう。
「÷2」の後の金額が20万円以下かどうか
会社員(給与所得者)は、通常、勤務先の年末調整で課税処理が完結します。
勤務先が1か所で年末調整済である会社員がほかに収入があるとき、
「ほかの所得が20万円以下であれば確定申告は不要」
というルールがあります。
金地金の売却をした場合、「総合譲渡所得」という所得に区分されるのですが、
ポイントは、
「÷2」をした「後」の金額が20万円以下であるかどうかで判定する、
ということです。
先の具体例でいけば、
総合譲渡所得の金額は15万円で20万円以下ですから、その会社員は確定申告の義務はない、ということになります。
÷2をする前は30万円ですが、この30万円で判定するわけではありません。
※「÷2」をするのは保有期間が5年超の場合のみ。
例えば、給与収入があって所得税率が10%である会社員が、申告義務がないにもかかわらず総合譲渡所得金額15万円を含めて確定申告書を作成すると、約1万5000円の納税額が生ずる内容となります。
ですが、さきほどの説明のとおり、「給与所得以外の所得金額が20万円以下であるときは申告不要」ですので、申告して所得税を支払う必要はありません。
※住民税は別途申告が必要です。
給与所得金額によって納税額は変わる
金地金を売却した人は、金地金を売却したことによる所得税の金額を早く知りたいと思うものですが、納税額は、金地金による譲渡所得と給与所得を合算した上で算出されるものです。
したがって、金地金による売却利益が同じ100万円であっても、給与所得が100万円の会社員と給与所得が1000万円の会社員では、適用される所得税率が異なるため、その納税額はかなりの差があります。
税率5%であれば納税額は5万円で、税率20%であれば納税額20万円です。
ですから、もし来年で定年退職を迎える予定の会社員が金地金の売却を検討している場合には、現役の時よりも退職後の年金生活をしている時に売却をしたほうが所得税額は少なく済むことが多いでしょう。
まあ、金の価格は変動しますから、なかなか売却のタイミングは難しいとは思いますが。。。
医療費控除などでそもそも確定申告をする事情があるときは含める
注意点として、金地金の売却と関係なく、そもそも医療費控除やふるさと納税などの申請のために確定申告をする事情があるときは、たとえ総合譲渡所得の金額が20万円以下であっても、総合譲渡所得の金額を含めて確定申告をする必要があります。
総合譲渡所得「だけ」を申告不要とすることはできませんのでご注意ください。
まとめ
会社員が金地金の売却をした場合には、まず利益が年間で50万円以下であるかどうか、次に50万円控除した利益を「÷2」した「後の」金額が20万円以下であるかどうか、という2つの基準で申告義務の有無を確認しましょう。
申告義務がないにもかかわらず確定申告をしてしまうと損ですから気を付けましょうね。
また、納税額は給与所得金額の多寡によって変動するものですので、「金地金を売却したときはこの税額!」というふうに一概には言えないものです。
給与収入が1000万円前後の会社員の方は、売却利益の20%くらいの納税額を想定しておいたほうが無難であると言えるでしょう。
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