取引先に言いくるめられる

 こんにちは!

 にこにこ税理士受験生です!

 売上が1000万円未満のフリーランスや個人事業主の方にとっては、いきなりインボイス制度導入後の消費税の世界を理解するのは相当な労力を要すると私は思います。

 取引先の法人などから「インボイスの登録をしておいてね」と言われ、よくわからないまま登録をしたという個人事業主はきっとたくさんいることでしょう。

 いままで免税事業者であった人はインボイスの登録をすると必ず課税事業者となって消費税の確定申告をする必要が生じます。

 未だ登録をしていない個人事業主のうちには、取引先から

「免税事業者のままでいるなら、私たちに消費税10%分を請求しないでください。これまで毎月22万円の請求を受けていたけどこれからは毎月20万円です」

 と言われてしまったという人もいるかと思います。

 また、取引先の要請に従ってインボイスの登録をしたことから、取引先に対して消費税10%分を上乗せして請求しようとしたら、

 取引先から「え、いままでどおりの請求額でやってよね、いままでも税込だったんだから」と言われてしまった人もいることでしょう。

 どうしても立場が弱くなりがちな個人事業主・フリーランスの方は、このように取引先に言いくるめられてしまうことが非常に多いです。

 なぜこんな事態がおきるのか

 消費税法は平成元年にスタートして、35年後の令和5年10月にようやくインボイス制度導入となりました。

 この間、売上が1000万円以下の小規模事業者は、原則として、免税事業者として納税義務を免除されていました。

 免税事業者は、売上先に請求する際に、その金額が「税込」なのか「税抜」なのかを意識する必要がありませんでした。

 一方、免税事業者から請求を受ける法人などは、消費税法上、免税事業者からの課税仕入れであっても、仕入れ税額控除は認められていましたので、免税事業者から受けた請求金額はいつも「税込」であると認識していたわけです。

 売上側である免税事業者は請求金額10万円が税抜価額であると認識していたとしても、仕入側である法人は請求金額10万円はいつも税込価額として処理する、

 という状況が生じていたわけですが、

 この不整合について消費税法はずっと目をつむってきていたわけですね。

 インボイス制度導入により、ここの整合性を取ろうとしているわけですが、そうなるといままで免税事業者であった事業主は、

「いつもの請求金額って自分は税抜だと思ってたんだけど!?(税込だと思っていたんだけど!?)」

 といったように自己の認識だけで完結していた税込?税抜?問題が浮上してくるわけです。

 そして取引先との力関係により、こちらの認識とは異なる処理を強いられるという事態が生じやすくなってしまいました。

 取引金額の総額は常に税込価額と考えましょう

 しばしば「インボイス登録をしないと消費税分を請求できないのでは?」と考える人がいます。

 しかし、消費税法は平成元年にスタートして以来、「そもそもその取引が課税対象か否か」という基準で処理を行うと考えています。

 「本体価格」なるものがあって、それに消費税分が上乗せされているという考え方は一切ありません。

 その取引が課税対象の取引なのであれば、取引金額がいくらであろうとその総額のうちには消費税分が含まれているととらえるわけです。

 したがって、「消費税分10%分を請求しようとしたら取引先に断られた」というのは、いわば「10%分の値上げを求めたら断られた」のと同じです。

 本人としてはいままで税抜価額で請求していたつもりかもしれませんが、消費税法上は、その取引金額には既に消費税分が含まれているのです。

 「インボイスの登録をしないと消費税分を請求できないと言われた」というのは、「インボイスの登録をしないと請求金額を消費税分だけ値下げさせます(自己負担させます)」という意味です。

 まとめ

 私は、消費税は「国による10%分の価格強制値上げ制度」と呼んだほうが実態に近いと思っています。

 事業主に対して、すべての商品価格を強制的に1割増しにすることで事業主の利益を1割増しにして、事業主はその利益から消費税を支払います。

 そして、その1割増しの価格となった商品を購入するのは一般の消費者ですから、「最終的な消費税の負担者は「消費者」となること予定している」というふうに説明されることになるわけですね。

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