私たち夫婦は否定的な意見

 私には6歳の子が一人います。

 イオンに行けばディズニー英会話のお姉さんに声をかけられ、自宅ポストには英語スクールのチラシがよく入っています。

 ただ、わたしたち夫婦は幼児に対する英語教育についてはわりと否定的な考えをもっています。

 英会話スクールなどを友達づくりなどのために利用して子供が楽しくしているのであれば全然OKだと思いますが、「英語ができるようになってほしい」とか「これからは英語が必要だから」といった理由で通っているのであればそれはほとんど意味がないと考えています。

 つまり、中学、高校、大学、社会人になってから活きてくるようなものにはならないと思っています。

 英語は、幼少期に週1回や2回スクールに行っている程度ではなんら身に付きません。もし、スクールに行っている子の母親や父親のどちらかが外国人で家庭では英語が飛び交っているような状況であれば別です。

 純日本人の家庭で暮らす子供が英語を身に付けていくには、スクール通いレベルではなく日々生活する中で日本語と出会うのと同様の頻度で英語に出会っていく必要があります。

 海外転勤などで子供も3歳~5歳までアメリカで暮らしました、であれば子供は嫌でも英語を身に付けることでしょう。それと同レベルに近いの環境を日本で暮らしながら整えていくのは相当な努力(主に親の努力)が必要になると思います。

 実は、子供にわざわざ英語教育をする必要がないと思っているのは、私よりもむしろ妻のほうです。

 私は英語は話せませんが、妻は英語を話します。

 妻は仕事で英語を使うこともないのですが、言葉に困らずに海外旅行をすることを目的として英語を勉強していました。

 留学経験もありませんが、TOEICを長らく勉強しながら(結局900点超まで到達)時々海外旅行へ数日間行くというスタイルで、今や日常会話の英語は問題なく話せています。

 私は英語が話せません。でも、それは私が英語が話せなくてもなんら困ることはなく、海外旅行もいかないので英語を学習する動機がないからです。

 強がっているわけではなく、なにかしらの理由で私も英語を話せるようになりたい(話すことができなければならない)、使えるようになりたいと思って一定期間勉強をすれば、おそらく妻と同じくらいにはなることができると本気で思っています。

 つまり、日常会話などのレベルで英語を使えるようになるには、大人(もしくは学生)になってから「その気になれば」2年間程度の学習で事足りる、というのが私たちの意見です。もし、大学生であれば、やる気を出して1年間しっかり海外留学すれば日常的な英会話はできるようになるはずです。

 ただ、これには大前提として、中学までの英語学習はきっちりと完了していることが必要だと考えています。さすがに基本的な文法や構文が身に付いていなければ「その気になった」ときに勉強しようと思っても厳しいものがあります。

 要するに、少なくとも中学までの公的な学校教育を一通り完了させていれば、大学生や社会人になったときに「その気になれば」いつでも一定の努力をすれば英語が使えるようになるものだ、というふうに考えています。

 妻はよく「学校で英語という教科がなければ、大人になってからいざ英語を勉強しようと思っても全然できなかったと思う」「中学校という義務教育期間で英語を勉強できるなんてほんとにありがたい」と言っています。

 英語は、幼児の頃に学習させなくても、学校の勉強をしっかりやっていれば、本人がいざ「やりたい」と思ったときに行動すれば効率的に身に付けることができるものです。

 もし、幼少の頃に将来役に立つように英語学習をするのであれば、それは大人になってから勉強する努力よりもずっと多くの努力を必要とすることになるのではないかと思います。

 泳げない親の子がプール好き

 まとめ

 幼児である子供に英語スクールに通わせようとする親御さんについて私が思っていることは、①英語はそんなに急いで取り組まなくてもあとからの努力でどうにでもなるということ、②それでも将来子供に活きるように英語に早期から取り組みたいと考えるのであれば週1レベルの英語教室という生ぬるい学習では意味がないということ、です。

 「英語は早くからやらないと!」みたいに意識高い感じを出しておきながら、取り組んでいるのはなぜかなまっちょろい英会話教室、といった事態になっている気がしてなりません。

 高校受験の志望校は背伸びしなくていい

 以前、ネットで「英語はスイミング系ではなくピアノ系の習い事」といった意見を目にしました。これはなかなか良い例えだと思います。

 スイミングは週一のお稽古だけでもそこそこ上達していきますが、ピアノは週一のレッスンを受けながら自宅でレッスン時間の10倍以上の練習を数年間継続しなければ上達していきません。

 英語もまさにそうです。

「これからはやっぱり英語が話せないと」と考えて子供を英語教室へ通わせるのであれば、自宅では家族全員英語で会話して、テレビはすべて英語放送に切り替えて、絵本も英語にして、相当な頻度で海外旅行を経験させて、とかなりの時間を英語のために割いて徹底させていかなければ将来的に実にならないでしょう。

 もちろん、一生懸命英語に触れさせようと頑張っている親御さんもいらっしゃると思いますが、私も含め多くの親には大変すぎてやってられません。

 私が思うに親がすべきことは、子供が高校生、大学生や社会人になって「英語ができるようになりたい」と感じたときにいつでも学習に取り組むことができるよう、10代のうちに「学習に対する姿勢・意欲」をしっかりと育んであげることです。

 英語に関していえば、少なくとも中学までの英語を中学卒業までにしっかりと身に付けることができるように、10歳前後からきちんと学習という行為の習慣をつけさせることです。

 私は学習の基礎は「ことば」だと思っていますから、まずもって幼少期に行うべきことは母国語である日本語を徹底的に吸収させることだと考えます。

 正直なところ、週一の英会話スクールにいくのであれば、その時間を絵本の読み聞かせや読書や親との会話に充てたほうがよほど将来のためになるのではないかとさえ感じます。

 割り切って、将来のことは抜きで、子供が楽しく過ごせればそれでOKとして英語教室へ通わせるのであればそれはそれで全然よいと思います。

 むしろ、スイミングや書道やピアノなど、大抵のお稽古はそういった感覚ですよね。将来水泳選手・書道家・演奏家になってほしいわけでもないですが、子供が興味をもって取り組んでいるのであればそれでいいかといったものですよね。

 英語、となったとたん、ゆくゆく入学試験などでも必要ですし将来なにかしら職業選択の際にも参考にするかもしれないとの期待から「将来の役に立ってほしい」と考えがちなのではないでしょうか。

 大丈夫です。それなりに学校のお勉強をしっかりしておけばあとからの学習できちんと使いこなせるようになります。そのとき本人が努力することができるように、親は子の学習の基礎を作るための環境づくりをゆっくりといまのうちにしておけばよいと考えます。