居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除

 こんにちは!

 にこにこ税理士受験生です!

 不動産を売却して利益が生じたときは、譲渡所得として所得税がかかります。

 しかし、マイホームを売却した場合には、3000万円の特別控除を適用することができます。

※詳細は国税庁HP↓

No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁

 つまり、利益が3000万円までであれば、譲渡所得の金額は0円として計算することとなります。

 このことから、一般に「マイホームを売却した場合には税金がかからない」とか「3000万円までは無税」とか言われたりします。

 この特例は、確定申告をしなければ適用できないものですので、売却をした年の翌年3月頃に税務署に対して確定申告書を提出する必要があります。

 ところが、いざ確定申告書を作成してみたら、所得税の納税額が発生することがあるのです。

 「合計所得金額」のワナ

 この現象を理解するためには、所得税における「合計所得金額」を知る必要があります。

 「合計所得金額」とは、要するに1年間のすべての所得の金額の合計額をいうわけですが、自宅を売却した場合の3000万円の控除を適用するときのポイントは、

「合計所得金額」については3000万円を控除する前の金額を使用する

ということです!

 もし、自宅を売却した利益が1000万円であった場合、課税の対象となる譲渡所得の金額は0円なのですが、「合計所得金額」を算定する際にはそのまま1000万円が採用されるのです。

 そしてこの「合計所得金額」がいくらなのかによって、税額計算にさまざまな影響が生じます。

 所得税額の計算においては、いわゆる「所得制限」が設けられているものが多くあります。

 たとえば、「合計所得金額」が1000万円を超えると、奥さんが専業主婦で所得が0であっても、「配偶者控除」を使うことができなくなります

 また、「合計所得金額」が500万円を超えると「ひとり親控除」も適用できなくなります。

 さらに年金受給者の方の場合、「合計所得金額」が1000万円超2000万円超か等で公的年金の所得金額も変動することとなります。

 現行の所得税法では、この「合計所得金額」がいくらなのかによって、所得控除額などが連動する仕組みとなっています。

 つまり、合計所得金額」が大きくなればなるほど、よりいっそう高い所得税が生ずるように設計されているのです。

 令和7年は基礎控除も

 税制改正により、令和7年分の所得税においては基礎控除額が新しくなりました。

 この基礎控除額も「合計所得金額」がいくらなのかによって段階的に変化していく仕組みです。

※詳細は国税庁HP↓

 No.1199 基礎控除|国税庁

 仮に、給与収入700万円の会社員(年末調整済)がマイホームを売却して利益が1000万円生じたとして計算してみましょう。

 給与収入700万円であれば給与所得の金額は520万円となります。

 給与所得の金額だけであれば、基礎控除額63万円です。

 マイホームを売却して生じた利益1000万円は、3000万円の特別控除を適用したとしても、「合計所得金額」を算定するときは特別控除前の1000万円を使用しますから、

 520万円+1000万円=1520万円

が「合計所得金額」となります。

 すると、基礎控除額は一段階下がり58万円となります。

 所得控除額が63万円-58万円=5万円減少してしまうことになりますので、適用される所得税率が10%であれば、約5000円の所得税額が発生します。

 もしこの会社員の方が、勤務先の年末調整で配偶者控除38万円の適用を受けていた場合も考えてみましょう。

 今回の確定申告によって合計所得金額」が1000万円超となってしまうため、配偶者控除は適用できなくなります。0円です!

 そうなると、基礎控除の減少分5万円+配偶者控除の消滅分38万円=43万円の所得控除の金額が少なくなってしまいますから、

 43万円×10%(所得税率)

 =約43000円

の所得税が発生することになります!

 マイホームを売却したときは無税と聞いていたのに、4万円も納税する必要があるなんて聞いていない!となってしまうのは、こんなワナがあるからなのです。

 まとめ

 不動産の営業マンなどに「マイホームを売却は3000万円までは税金かからないですから」と説明を受けたことがある人もいるでしょう。

 この説明は、マイホームの売却利益だけの税金を考えれば、間違ってはいません。

 しかし、合計所得金額」が特別控除前の金額を採用していることから、連動して数万円の所得税が発生することがあります。

 特に、基礎控除額の改正があった令和7年分においては、たとえ配偶者控除の適用がそもそもない、という会社員であっても、基礎控除額の減少により少なくとも1万円弱の納税額が生ずる可能性は大いにあるでしょう。

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投稿者

管理人はとちゃん

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