贈与税の非課税の特例にはいわゆる所得制限がある
こんにちは!
にこにこ税理士受験生です!
今回は、最もポピュラーな贈与税の非課税制度「住宅取得等資金の贈与税の非課税」について、適用要件のひとつである「合計所得金額」にスポットを充ててみたいと思います。
はじめに、この非課税の制度の概要について。
これは、住宅の新築や取得にあたって、自分の両親や祖父母から資金援助を受けた場合に、最大1000万円までについては贈与税を非課税とする、という特例制度です。
通常、年間110万円を超える資産(資金)の贈与を受けると、贈与税がかかります。
でも、親御さんなどから贈与を受けた資金を新築又は取得の費用に充てているのであれば、贈与税があまりかからないようにしてあげましょう、ということにしてあるものです。
ところで、この非課税の特例の適用要件のひとつに、
「贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下であること」
というものがあります。
贈与税の申告であるにもかかわらず、「所得」という用語が登場するため、「いったいなんの金額をいうんだ?」と戸惑う方も一定数おられるようです。
「所得」ということばの響きから、おおよそ「収入のことかな?」と考えて、
「年収2000万円もないから全然OKだよね!」
とスルーしそうなところを、
「いや、でも親から1000万円贈与を受けたし、妻(夫)の収入も合算すると2000万円超えるのでは?」
と深読みをして混乱している方もおられるようです。
「合計所得金額」は所得税の専門用語
まず、こちらの「合計所得金額」とは所得税法に規定するガッチガチの専門用語です!
贈与税の申告をする方が、会社員(副業なしで年末調整済)であることを前提とすれば、
「合計所得金額」とは、ズバリ『給与所得の源泉徴収票』のド真ん中「給与所得控除後の金額」欄に記載されている金額です!
※詳細を知りたい方は国税庁HP↓
つまり、「贈与を受けた金額」は「合計所得金額」には含まれません!
このことは所得税法の非課税規定からもわかります。
所得税法では、非課税とされるものとして、「個人からの贈与により取得するもの」を規定しています。
所得税としては「贈与で得たものについては贈与税で課税するから、所得税は課税しないよん」と言っているわけですね。
また、特に所得税の確定申告の経験のない方には、
「確定申告書に記載する収入金額は家族全員分の合計かな?」
と考える人もおられるのですが、これは誤りです。
日本の税金は「個人単位課税」を原則としており、所得税や贈与税などは家族単位ではなく「じぶん一人分」の内容で申告をします。
つまり、住宅取得等資金の贈与税の非課税の適用要件である「合計所得金額」は、「贈与を受けた人」(自分)だけの分を考えればOKです。
妻(夫)の所得金額を合算して考える必要はありません!
したがって、贈与税の申告をする本人の『給与所得の源泉徴収票』の「給与所得控除後の金額」欄に記載されている金額が2000万円以下であれば要件を満たす、ということですね。
注意すべきケース
以上のように、「合計所得金額」については、給与の年間収入が2000万円を超える程度ある方や自営業で同程度に稼いでいる方でなければ、さほど気にする必要はありません。
ただし、注意すべきケースがあります。
主に贈与を受けた年中に不動産を売却している場合です。
不動産を売却して、その売却で得た資金と贈与資金を合算して新居を建築するケースがあるかと思います。
不動産の売却にあたり、譲渡益が1500万円近く算出されると、これらの譲渡益は「合計所得金額」に加算されます!
給与所得と合算すると2,000万円を超えてしまうこともありうるでしょう。
そうなると、住宅取得等資金の贈与税の非課税の適用を受けることができなくなってしまいますのでご注意ください。
まとめ
「合計所得金額」はさほど深く考える必要はないものになりますのであまり悩まないようにしていただければと思います。
生真面目な方ほど深読みをして心配になっているのかなといった印象です。
同年に不動産を売却した場合についてのみ、一度立ち止まって検討してもらいたいなと思います。
非課税制度をうまく活用していきましょう!
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