令和7年度(第75回)税理士試験の相続税法に合格しました
私は、令和7年度税理士試験の相続税法に合格しました。前回に引き続き2回目の受験で合格できました。
消費税法に4回目の受験でようやく合格しましたので、合格難易度が高いとされる相続税法に合格するにはもっと長く時間がかかると思っていましたが、幸運にも2回目の受験で合格できました。
感触が悪かったので、正直なところ合格できた理由ははっきりしないのですが、思いつくかぎりのところで書き出してみようと思います。
【計算問題】相続人判定を極めた
初受験の前回(第74回)の試験では、相続人判定を誤ってしまいました。やや複雑な親族関係図で、誤った判断をした受験生もそこそこいるらしかったですが、私は別の方向からとんでもないミスをしてしまったのです。
第74回本試験では、被相続人に、婚姻関係のない相手との間に生まれた子がいる、という設定でした。
この親族図を見たとき、先入観で「被相続人(男)には愛人(女)との間に子(隠し子)がいる」というふうに思ってしまいました。そして、その「婚姻関係のない相手」は相続人にはなりませんから、その名前に自分で「×」印を付けました。
これが最悪の結果を招きました。
実は、親族図にはもともと「亡男丙」と記載されていたところ、私がつけた「×」印のせいで真ん中の「男」の字が消えてしまっていたのです笑
つまり、本当は、被相続人は女性であって、婚姻関係のない相手は男性だったのです。
私は、先入観と「×」印のせいで被相続人が男性であると思い込んでいたため、被相続人が子を認知をしているかしていないかを判断しようと問題文を何度も読み返していたのですがその情報はどこにもありません。
本当は被相続人が女性であるため、認知に有無にかかわらずその子は相続人なんですよね。
当時もその知識はあったのですが、本試験中は「被相続人は男性」という魔術(?)にかかっており、いっこうにその魔術を打ち破ることができず、「認知」の文字がどこかに記載されていないか問題文を読みまわして時間を浪費したうえに、「認知した記載がないなら認知していないということかあ??」という謎判断によりその子を相続人から外してしまいました。
結果、芋づる式に失点し、不合格でした。55点でした。
・・・前置きが長くなりましたが、第74回本試験の前までは相続人判定には結構な自信をもっていました。実際、模試でも誤ったことがなかったからです。
でも、第74回本試験ではその自信があだとなりました。
そこで、第75回本試験に向けては、どんな親族図が出題されようとも「絶対に」正答できるよう、過去問や他の資格の学校の模試などあらゆる機会をとらえて、相続人判定問題には果敢に取り組みました。
第75回本試験の親族図は幸いにも簡単なものでしたが、相続人判定を誤って「はい終わりです」にならないように、相続人判定の学習は嫌というほど行うことをおすすめします。
もし今、相続税法の受験生がいたとして、ある程度の学習が進んだところかなと感じているのであれば、これから毎日一題はなにかしらの親族図(総合問題の「親族図」部分とか)で相続人判定をぜひ解答し続けてください。
【計算問題】とにかく基礎を大切にする
私は、相続税法の計算問題はその特性上、さほど複雑にすることができないと思っています。
消費税法であれば、業種によってその業種特有の取引などをベースに受験生がどうやっても判断しかねる問題を出題することもできます(個人商店の「みりん」の販売とか特別養護老人ホームのサービス提供とか、ありましたよねえ)。
相続税法の計算問題は、1年間きっちり学習すれば知識的には完成できると思っています。
習熟度があがると、特に土地評価など複雑な算式を駆使する問題を極めたくもなりますが、私はどちらかというと金融と保険の分野の問題のほうをよりいっそう完璧にするほうが大切だと考えます。
社債・公社債、外貨建て預金、定期金に関する権利など、あのあたりですね。知識があれば解答は容易ですが、いろいろなパターンがあるうえに出題頻度も少なく、誤答してしまってもなんとなくおざなりにしてしまいがちです。
でも、本試験で「あれ、これどうやるんだっけな」となってしまうと、もうその時点でほかの受験生に負けてしまいます。
土地評価、取引相場のない株式評価に目がいってしまいがちですが、これら二つが安定して得点できるようになってきたのであれば、そのほかの細々した分野の問題を瞬殺できるようガチガチに知識を固めるべきでしょう。
【計算問題】解く順番
解答する順番ですが、これはみなさんどうしてるんでしょうかね。私は資格の大原の通信で受講していましたが、講師の方は「前から順番に解く」と言っていて、さほど議論はなかった感じでした。
ここ近年、本試験の計算問題はボリュームが落ち着いてきていて、結局相当なスピードで解答していけばすべて手を付けることができることが多いため、講師は「前から順」と言っていたのかもしれません。
私は、スピードにはさほど自信はありませんでした。順番に解答していくと、最後の税額控除あたりが間に合わなくなることがあったので、まず相続人判定をしたら基礎控除を解答して、その後すぐに解答可能な税額控除に進む、という流れを取っていました。
その後は、「解答できそうなら財産評価以外を先にやる」といった感覚で、生命保険とか債務控除を解答していました。
正解かどうかわからないのですが、取引相場のない株式については、解答ボリュームが多いことがほとんどで、途中まで解答してあとから戻ってくるとわけわからなくなるため、一番最後に残していました。
残った時間でできるところまで解答する作戦です。
ただ、意外と時間が足りなくて模試などではほかの受験生よりもたぶん解答できていなかった場合もあったと思うので、なかなか加減が難しかったです。
最近の本試験は、特定の評価会社が出題されたりして案外解答ボリュームがなかったりしていたので結果オーライな感じはありましたが。。。
かなり最初の方で取引相場のない株式を解答する受験生もきっといるでしょうから、あとに残しておくのも賛否両論あると思います。
ただ、私は、取引相場のない株式は完答できなくても、ほかの細々したものをとりこぼすほうが怖かったので、このような解答手順を採用していました。
【理論問題】選り好みしない
税法全般に言えることですが、やっぱり相続税法も理論の出来栄えが合否を分けますよね。
私は消費税法と相続税法を平行して学習していた関係で、消費税法の理論学習のノリで相続税法もやっていたところがあります。
すると、相続税法の理論題数はかなりの数ありますが、さほど緩急つけずに抜け穴なく理論暗記をしていました。
緩急をつけたのは、本試験2か月前くらいですかね。精算課税あたりを濃厚にまわしていました。
あと、理論テキストを開いて「やだな~」と感じるところをとりわけ進んで暗記するように心がけました。納税義務者、納税猶予あたりです。
個人的には本試験は、相続時精算課税制度、そのほか個人事業承継関連で、貸付事業用宅地等、個人の事業用資産の納税猶予あたりが出題されるのではないかと思っていて、そのあたりもガチガチにしていました。
「選り好みしない」と言いましたが、実は私も選り好みをしていた部分がありまして、それは「特定居住用宅地等の意義」です。直近で出題がありましたので、多くの受験生同様?に理論暗記をさぼっており、ほかの貸付事業用宅地等や特定事業用宅地等は入念に暗記していたものの、唯一ここだけは「きっと出ないだろう」と思ってやっていませんでした。
ご存じのとおり、第75回本試験に再び出題されました笑
本試験問題を見たとき「しまったあ」と思いましたよ。相続税法ってやっぱり同じ論点を連続して出題することがあるんですよね、本当に衝撃でした。
実はたびたび出題されている「自然人以外が納税義務者となる場合」については、「また出題されたら解答してやるぜい」と意気込んで理論暗記をしっかりしていました。でも、特定居住用宅地等については文字数も多くてさぼっていました。
一方で、第75回本試験に出題された「配偶者居住権」については、抜け目なく理論暗記していた甲斐もあって根拠条文までしっかりと解答できました。特定居住用宅地等が書けなかったのに合格できたのは、配偶者居住権部分を解答できたからかなとも思っています。
あとは運か
第75回本試験は、理論問題が1題で計算問題が2題と変則的でした。
特に計算問題の2題目は贈与税をベースにした壮大な?個別問題で、どこまで取り組むべきか非常に悩ましかったです。
例年の傾向とは異なり、計算問題の全体的なボリュームがかなりありましたので、「できるところをやっていく」ノリの試験でした。最初の土地の財産評価はちょこっと書いてすっ飛ばしましたし、2題目の贈与問題ではできそうなところをひたすら解答していき、結果的に最後の方の加算部分はほとんど解答できませんでした。
例年通り、70分で完答できるような計算問題の場合であったなら、私はスピードに自信がなかったため合格できなかったかもしれません。
運よく、自分の解答手順と解答部分とその内容が、今回の採点者のイメージと合致していただけの感は否めません。
運を呼び寄せるのも日々の学習の結果であることもきっと間違っていないので、学習を入念にすることしかありませんが、もし今、相続税法の受験生にお伝えできることがあるとすれば、計算問題は複雑な土地評価の計算方法を知ることよりも、解法を知っていれば30秒で正答できるような金融、保険分野の問題を絶対に間違えないように基礎固めをすることと、理論問題は過去の出題状況にとらわれずに、なにが出題されてもいいようにまんべんなく学習して理論の一語一句の暗記精度を高めることをおすすめします。